N101

11:00~12:00

アジア BP GD

モバイルゲーム『HIT』のHITストーリー

ネクソン・コリア・コーポレーション/ソ・ヨンソク

受講スキル

特になし(経歴に関わらず聴講可能)
※本講演は日本語への通訳が行われます

受講者が得られるであろう知見

『HIT』が、韓国及びグローバル、さらにはモバイル向けアクションRPG(ARPG)というジャンルがあまり主流ではない日本において成功することができたカギは、「ローカライズ」です。
どのようにして「ローカライズ」を実現したのか、そして「ローカライズ」の重要性をお伝えするとともに、今後のプロジェクトにおいてどのようにノウハウを継承していくべきかをご紹介します。

【講演内容】

本セッションでは、『HIT』が韓国にて配信を開始し成功を収めた後、どのようにして効率的かつ効果的にグローバル向けの配信開始を実現したのか、その過程を紹介します。長期間にわたるローカライズを経て、モバイル向けアクションRPG(ARPG)が主流ではない日本においても成功を収めることができた、我々のノウハウをお伝えします。

韓国において、『HIT』を配信開始する前は、賛否両論ありました。同ジャンルのゲームが成功を収めていたため、ジャンルそのものの可能性を実証してはいたものの、成功を収めたゲームが当該ジャンルを独占していた状況でした。『HIT』は、ゲームの完成度を高めるべく多様な試みを行い、韓国のモバイルゲーム市場では前例のないようなマーケティングを行い、他のタイトルとの差別化を図りました。その結果、ランキングを独占していたタイトルを超えることができ、その後配信開始した同ジャンルの新作タイトルにも負けず、1位を強固に維持することができました。当時は新しい試みであった『HIT』のマーケティング戦略は、それ以来、韓国のモバイルARPGのジャンルにおいては主流となっています。

『HIT』のグローバルバージョンは、既に配信開始していた韓国バージョンで配信されていたコンテンツをブロック単位に分け、そのブロックをグローバルバージョン向けに再配置する、というアップデート戦略でサービスを行いました。特別なローカライズよりも、効率的なブロック再配置という手法を選択した理由は、大きく3点ありました。1点目は、台湾・香港・タイなどの東南アジアは、「第2の韓国モバイルゲーム市場」を言われるほど似たような性質を持っており、韓国で成功した『HIT』の成功を同地域でも見込むことができたためです。2点目は、北米やヨーロッパでは『HIT』のようなジャンルが、直近1年間で大ヒットと言えるような成功を収めていなかったため、ゲームの完成度を高め、その完成度の高さで勝負をしようと判断したからです。3点目は、韓国にて先行配信をしていた際のコンテンツがある程度蓄積されており、必要に応じて次のコンテンツを、迅速に配置できる戦略があったためです。

上記の根拠と戦略をベースに、『HIT』はネクソンのモバイルゲーム史上、最も良い成績を、グローバル規模で収めることができました。

グローバルバージョンは、準備に約3カ月かかりましたが、日本向けのサービスは、準備開始から配信開始まで、約10カ月かかりました。グローバルバージョンに比べて日本サービスの方がより長く時間がかかった最大の理由は、『HIT』の日本での成功理由とも言えるローカライズのためでした。

『HIT』のローカライズには、ゲーム内の施策からマーケティング、運用方法などが含まれます。ネクソンの日本法人とともに、徹底的に日本のモバイルゲーム市場を研究して準備を行い、かつPCオンラインゲームで培ってきたゲーム運用のノウハウを『HIT』に活用することで、差別化を図りました。日本におけるローカライズと成功に導いたノウハウに関して、講演の際に詳細を紹介します。

ソ・ヨンソク(そ・よんそく)

ネクソン・コリア・コーポレーション

Department Manager

ネクソンコリアにて、フィーチャーフォン時代からモバイル向けタイトルのプロジェクトマネージャーを担当。
『メイプルストーリー』シリーズ、『KartRider』シリーズ、『Crazy Arcade』シリーズなど、ネクソンのゲームIPを活用したモバイルタイトルに携わった経験を持つ。
CEDEC+KYUSHUにて紹介予定のモバイルゲーム『HIT』に関しては、韓国、グローバル、そして日本サービスのプロジェクトマネージャーを担当。

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